Unityでビジュアルスクリプティング:ゼロから始めるBolt入門
この記事は、「Unityアセット真夏のアドベントカレンダー 2020 Summer!」19日目の記事です。
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2020年7月、ビジュアルスクリプティングのアセット「Bolt」が無料化されました。BoltはLudiqが開発して有料で販売していたアセットですが、今年5月にUnity Technologiesが買収、そして7月に無料化されました。
私は2019年11月にBoltを購入して、そのあとBoltを使ったゲームを2本リリースしました。Unityでの開発経験はありますが、ビジュアルスクリプティングは初めての経験でした。Boltを購入してからゲームをリリースするまで、参考にした資料や学習方法をまとめてみました。
【目次】
- Boltを購入した
- Boltをインストールした
- サンプルを実行した
- 公式マニュアルを読んでみた
- チュートリアルは途中でやめた
- フラッピーバードを作った
- ブロック崩しを作った
- Bolt情報の探し方
- Unity公式のチュートリアル
- おわりに
Boltを購入した
去年の11月、UnityアセットストアをチェックしていてBoltに出会いました。Boltの公式サイトを見て面白そう!と興味を持ったんですが、当時は$70。購入するか悩んでいたんですが、11月末のセールで50%OFFになったので購入してみました。(現在は無料です)
Boltをインストールした
公式マニュアルを参考に、UnityにBoltをインストールしました。インストーラに従ってクリックするだけで、導入は簡単でした。
サンプルを実行した
Unityアセットストアに、「Bolt Kit」という名前のサンプルゲームが5つ公開されています。このアセットをBoltをインストールすれば、サンプルゲームが動くようになっています。
とりあえず全部のゲームを実行(Run)してみて、どんな風に動くのか眺めてみました。パラメータをいじったりノードを追加したりして遊んでみて、Boltの雰囲気をつかむことができました。
- Bolt Kit: First Person for Unity | Tutorials | Unity Asset Store
- Bolt Kit: Third Person for Unity | Tutorials | Unity Asset Store
- Bolt Kit: Platformer for Unity | Tutorials | Unity Asset Store
- Bolt Kit: Top Down for Unity | Tutorials | Unity Asset Store
- Bolt Kit: Point & Click for Unity | Tutorials | Unity Asset Store
公式マニュアルを読んでみた
雰囲気がつかめたところで、公式マニュアル(英語)を読んでみました。Google翻訳で日本語にページ翻訳して、どんな項目があるか最初にざっと目を通しました。画面のスクリーンショットが多いので、英語がわからなくても内容は把握できました。ゲーム開発中に使い方がわからなくなったら、この公式マニュアルを見るようにしていました。
チュートリアルは途中でやめた
Unity Learnに、2Dプラットフォーマーゲームを作るチュートリアル(英語)が公開されています。少しやりかけたんですが、途中でやめました。Bolt Kitのサンプルで雰囲気はつかめたこともあり、自分の作りたいゲームでBoltを使ってみたくなって、チュートリアルはスキップしました。(チュートリアルに対応した動画も公開されているので、動画を見るだけでも参考になると思います)
フラッピーバードを作った
C#のコードをBoltで置き換えられるのかを知りたくて、「写経」してみることにしました。本に書かれているコードをBoltに置き換えて処理を書く、ということをやってみました。(それを写経と呼んでいいのかわからないですが、たったいま「ビジュアル写経」と命名しました)
ビジュアル写経のいいところは、
- コードにメソッド名が書いてあるので、Bolt上で検索できる(どのメソッドを使うか悩まない)
- コードは動くはずなので、動かなかったらBolt側を修正する(ロジックは合ってるはず)
- どこまで進んだか見えるので、達成感があって楽しい(挫折しにくい)
写経したのは、下記の本のサンプルゲーム「Flappy Azarashi」です。ほぼすべてのコードをBoltに置き換えることができました。コードを参考にBoltのノードをつないでいくのは、パズルを解くみたいで面白かったです。
完成したサンプルゲームを改造して、ユニティちゃんが空を飛ぶ「フラッピーユニティちゃん!」を去年12月にリリースしました。処理はすべてBoltを使っていて、C#のコードは1行も書いていません。(ダウンロードして遊んでみてね!)
ブロック崩しを作った
次に挑戦したのは、下記のサンプルゲーム「ブロック崩し」です。
Unity標準のメソッドや処理はだいたいBoltで置き換えられそう、ということが実感できました。Boltでの実装方法をGoogleで見つけるのは難しかったですが、C#のコードが見つけられれば、それをBoltで書き直せばOKでした。(困ったときは公式フォーラムを検索して、同じことで悩んでいる人がいないか探してました)
ブロック崩しも改造して、三角コーンを破壊する「コーンブレイカー:三角コーン崩し」を今年1月にリリースしました。こちらも処理はすべてBoltを使っていて、C#のコードは1行も書いていません。(ダウンロードして遊んでみてね!)
Bolt情報の探し方
困ったときの公式フォーラム 。開発がUnity Technologyになったため、公式(Ludiq)のサポートは打ち切られたようですが、いまも書き込みは多いです。Discordもあります。
Twitterでハッシュタグ「#MadeWithBolt」を検索すると、Boltで作られたゲームがいろいろ出てきます。また、itch.ioで「Bolt Jam」というゲームジャムが不定期で開催されています。いちばん最近では、今年7月に「Bolt Jam 9」が開催されています。
Unity公式のチュートリアル
2020年7月22日、Unity Learnにおなじみの「玉転がし」をBoltで作るチュートリアルが公開されました。また、Unity Japan公式のYouTubeチャンネルに、かんたんな2Dゲームを作るチュートリアル動画が公開されました。
2020年8月24日・25日、Unity Japan公式のYouTubeチャンネルで、ライブ配信「ビジュアルスクリプティングシステムBoltを使ってみよう!」が行われました。2回分のライブ配信(動画)と、スライドが公開されています。
第1回:
www.slideshare.net
第2回:
www.slideshare.net
おわりに
無料になったBolt、まずはインストールして触ってみてください。もし「ビジュアル写経」に挑戦するなら、確実に動くシンプルなゲームを教材にするのがいいと思います。入門書に載ってるゲームを写経するとか、UnityアセットストアからゲームテンプレートをダウンロードしてBoltに置き換えてみるとか。
それでは、楽しいBolt生活を!
ビジュアルスクリプティングのBoltが最高…ノード繋いでいくだけで処理書ける…フローもステートも両方用意されてる…独自の命令じゃなくてUnityのメソッド呼ぶからC#のコードも写経できる…エラーがあったらノードが赤くなるからすぐわかる文字数TシャツM#BestUnityAsset19https://t.co/XF914f2MRb
— にしあぷ (@24appnet) 2019年12月25日